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遺品整理のやり方、コツは? 流れや手順、注意点を交えて解説

遺品整理のやり方、コツは? 流れや手順、注意点を交えて解説

親族や身内、身近な方が亡くなられた際にやらねばならない手続きや催し事は、思いのほか多いものです。遺品整理もまたそのなかの一つに挙げられます。そして、いざ取り組むにあたってどう対処すべきか困惑される方は、決して少なくありません。

そうした方々のために本記事では、遺品整理について詳細に解説します。
そもそもの目的や意味合いから、自身で対応する場合のやり方、コツ、プロの業者へ依頼するメリットにいたるまで取り上げる内容はさまざまです。流れや手順を交えながら具体的にお伝えします。

遺品整理とは?

転がる遺品を上から撮った写真
故人が残したものは全て遺品として数えられます。
生前身に付けていた服やアクセサリー、身の回りに置かれ日常的に使われていた家具や家電、重要書類やカード、家族のための遺産、財産……等々、ゆかりあるものはいずれも遺品です。そして、いうまでもなくそれらをきれいに片付けることが遺品整理に当たります。
額面通りに定義づけられる一方で、その本質的な目的を知ることも大切です。
ずばり、もっとも大きな意味合いは、ご遺族の心情への作用だと考えます。
故人の私物に触れることで悲しみや寂しさが蘇るのは至極当然です。それゆえ、遺品を仕分ける作業は、いわばあらためて現実に向き合う行為でもあります。故人との別れを受け入れることは辛い半面、ある程度心が落ち着いた段階では、そうした時間を設けることが大事です。
したがって、遺品と同時に気持ちを整理するためにも、遺品整理は必要だといえます。

遺品整理の時期について

遺品整理で出てくる思い出の写真
遺品整理に対してどのタイミングで行うべきか、不安や焦りに駆られる方も多いようです。
そうした方々へ向けて先に結論から述べると、遺品整理の時期に絶対的な正解はありません。
確かに、一般的には四十九日法要を終えた際のタイミングが良いとされています。しかし、それは住まいの退去期限の関係や遺族間での相続問題の話し合い(を行う時間)などを加味したケースです。そのため、あくまでも大まかな目安の一つ程度と捉えて構いません。

何より自身(遺品整理を行うご遺族の方)の心情を優先させましょう。慌ただしい日々の真っただ中で無理に取り組む必要はありません。先述した通り、ある程度心が落ち着いた段階で気持ちを整理する意味合いと兼ねて着手することが、強いて挙げられる最適解だと考えます。

法的な手続きなどは締め切りも考慮のうえ早めの対処をおすすめしますが、遺品整理に関しては各自の置かれている状況や都合によって変わります。したがって、流動的に進められれば良いということです。

遺品整理の流れや手順をコツとともに紹介

遺品整理を行っている風景
自身で対応する場合、何から手を付けるべきか早速悩まれることがあるかもしれません。
それゆえ、やはり流れはおさえておきたいところでしょう。
大事なポイントは慌てないことです。一気に片付けようと、あれもこれもと考え過ぎる前にまずは何が必要か一つずつ知ったうえで、丁寧に取り組むことを意識してください。
以下、手順と詳細に加え、コツも紹介します。

スケジュール作成

はじめに、スケジュールを作成しましょう。ゴール(完了日)を定め、そこから逆算することで、一日の作業に対する目途が付き、なおかつ全体に対する進捗状況も明確に把握できます。
各日で行う内容(どの部屋のどの箇所で何をするかなど)も併せて決められると尚良いです。

事前の計画や目標の設定は、視界が開けるとともに作業効率にもつながります。
そうはいってもやはり、無理は禁物です。あくまで現実的なスケジュールを立てることをおすすめします。
そのなかで、慣れてきた時や状況に応じスピードアップなどを図ってみてはいかがでしょう。

作業に必要なものの準備

遺品整理はその場ですぐ、手短にできるほど容易ではないケースがほとんどです。時には大掛かりな作業になることも想定しなければなりません。そのため、スケジュールを決めいざ取り掛かる際には、先立って使いそうなものを取り揃えておく必要があります。
たとえば、段ボールやビニール袋、ラベル、ガムテープ、工具、マジック、軍手、マスク……等々です。
その都度中断して用意することは非効率であるのはもちろん、やる気が削がれてしまう恐れもあります。一見、当たり前あるいは取るに足らないことのように思われるかもしれませんが、スムーズな遺品整理にこれらは欠かせません。
実は意外と侮れない大事な要素なのです。

遺品の仕分け

続いて、遺品の分類です。対象品を手元に残しておくものと手放すもの(捨てるもの)に仕分けます。
この作業を苦とする方は非常に多い印象です。
仕分ける量に対して圧倒されるケースももちろんありますが、総じて「どれも捨てられない」といった心理が働き悩まされることがほとんどのように見受けられます。

では、うまく仕分けるにはどうすれば良いのでしょう。
ここでも慌ててはいけません。コツは、まとめて解決しようとしないことです。

まず、すべての遺品を大きく以下の4つのいずれかに当てはめましょう。
各タイプは、「価値のある貴重品」「思い出の詰まった形見品」「自分にとっての必需品」「処分したい不用品」です。

「価値のある貴重品」には、財産関係全般が該当します。現金はもちろん、通帳やクレジットカード、キャッシュカード、有価証券、土地権利書などです。
身分証明書(マイナンバーカード、パスポートなど) や年金手帳、健康保険書、その他重要と思われる契約書も貴重品扱いにしましょう(準備している段ボールにマジックで貴重品と書き保管しましょう)。
また、貴金属や宝石、美術品も大抵は価値を秘めています。これらは同時に「思い出の詰まった形見品」「自分にとっての必需品」であることも多く、仮に処分するにも買い取り対象品の可能性が高いです。基本、貴重品枠に分類しつつ、該当するタイプをラベルに記載し貼っておけば、区別化され、後で整理しやすくなるでしょう。

「思い出の詰まった形見品」は故人の愛用品やその名の通り思い出宿る品々です。故人と親交の深い方々や親族へ渡せるものもこのタイプに分けられます。なお、相続対象品についてはラベルで区別するようにしましょう。それ以外の実用性が高く自身でも欲しいと感じるものは「自分にとっての必需品」枠に当てはまります。
そうやって分類していくなかで、該当しないものは結果的に「処分したい不用品」(になるはず)です。その際、買い取り、あるいはリサイクルが可能であるようなら特に箱には入れずラベルにその旨記載し貼るようにしてください。

この時点でどの箱にも入らずラベリングも不要であれば、それらは処分対象に見なせるものです。

このように、一通りタイプ分けを挟むことで対象への認識がコンパクトかつクリアになります。
当然、ここからさらに残すものを絞り、捨てるものを決めていく必要が出てくるとはいえ、心理的負荷は軽減できることでしょう。加えて、遺品に対する解像度が高まっているため、冷静な目線が生まれ、的確な判断へとつながる期待も持てます。

そうこう慎重に吟味し精査してもなお、心情的に捨てる勇気が持てない遺品が数多く残ってしまうことはあるかもしれません。かといって、ものが嵩む事態は避けたいところです。この場合、次の手段を検討してみてください。
一つは、デジタル化です。
写真や日記などはデータに落とし込むことで、故人の思い出の一枚や、ノートに綴られた日常を処分せずに済みます。
加えて、遺品供養や寄付に出すことも選択肢の一つとして覚えておくと良いでしょう。ただ捨てるには抵抗感のある方も、(供養や寄付といった)意義を見出せることで多少なりとも心の整理がつきやすくなるはずです。

不用品の処分

さて、仕分け後はいよいよ処分です。
廃棄するにあたっては、自治体の定める方法に基づき正しく対処するようにしましょう。
また、「重くて運び出せない」「量が多くて大変」といった状況であれば、買い取りやリサイクルの対象品以外であっても、プロの業者に頼ることをおすすめします。

処分方法についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
家具の処分方法~持ち込み、運び出し、解体など捨て方のコツを解説~

遺品整理の注意点

遺品整理で腰を痛めた女性
遺品整理は、時に思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。そのため、あらかじめ注意点を把握しておくことが大事です。いくつか紹介します。

迅速な法的手続き

貴重品の場合、整理の際、法的手続きを要することが多いでしょう。
期日が設けられている場合は、それらを優先的に処理しなければなりません。
通帳であれば銀行、クレジットカードやパスポートなら発行元の会社、といった具合に各方面としっかり連絡を取り、指示に従い適切に手続きを踏むようにしてください。

不動産会社や管理会社への確認

故人の住まいが賃貸物件であった場合、遺品整理を行う旨、その内容をあらかじめ不動産会社や管理会社へ連絡するようにしましょう。
退去日や、照明、エアコンなどの設置器具について、事前の確認と共有を怠ってしまっては、認識の齟齬に気付けぬままトラブルに発展する可能性が出てきます。
リスクヘッジには、こまめな報告、連絡、相談が必要不可欠です。

近隣住民へのケア

遺品整理によって生じる騒音などに対して、近所から苦情が入ることもあります。
事前了承や取り掛かる時間帯への配慮といった対策、ケアが必要です。

相続人全員での話し合い

一人で遺品整理を行う場合、親族との軋轢を生みやすい傾向にあります。とりわけ多いのが、形見分けや相続のトラブルにつながるケースです。
そうならないよう、双方の納得の元、金品の配分など明確に取り決める必要があります。したがって、相続人が複数いる場合は、対象者全員で話し合いながら(遺品整理を)進めることが大切です。

肉体的、精神的負担への対処

遺品整理は大変です。
極力、負担を減らすべく先述の手順があるとはいえ、思い通りに進まない状況も当然考えられます。
にもかかわらず無理を強いては、肉体も精神も両方ダメージを受けてしまいます。
まず念頭に置いて欲しいのは、闇雲に急がないこと、そして自身で抱え込まないことです。困ったら親族、身内に頼りましょう。もちろん、プロの業者に任せることで事態は打開可能です。

焦らず柔軟に取り組むことが、着実な前進につながります。
ケースバイケースでスケジュール変更や人員調整など図り、負担を自身に一極集中させないように気を付けましょう。

遺品整理をプロの業者に依頼するメリット

遺品整理にトラックでやってくる業者
遺品整理をプロに任せることで、いくつものメリットが得られます。
こだわりや費用面を懸念される方も少なくありませんが、ご要望に沿い、臨機応変かつ良心的価格でサービスを提供する業者であれば、その不安はいとも簡単に払拭できるでしょう。何より、遺品整理を負荷なくスムーズに終えられることは、紛うことなきプラスの要素です。

それでは以下、主なメリットをピックアップします。

短期間で完了可能

遺品整理は通常、相当な時間が掛かります。
複数人で行うにせよ、ほとんどの場合、各々がスケジュールの合間を縫って対応せざるを得ない状況でしょう。もちろん、皆が作業に精通されているわけでもないため、どうしたって長期スパンを要します。
他方、遺品整理を業者に任せられれば、仕分けから処分まで短期間で終えることが可能です。そのスピード感は、やはりプロのそれだといえます。

重たいものの運び出しが可能

遺品はさまざまです。たとえば、タンスなどの大型家具や冷蔵庫といった重たいものを処理しなければならないケースがあります。この時、自身の力では到底運び出せないこともあるでしょう。
仮に身近な方にお手伝いいただけたとしても、怪我などのリスクは拭いきれません。無理した結果、腰を痛めるなどその後も支障をきたす恐れは十分に考えられます。
それゆえ、体力に自信が無い方はもちろん、こうした不安を抱えずに対処されたい場合は、実績豊富な百戦錬磨の業者に依頼することが最善策だといえるでしょう。

買い取りが可能

遺品を回収する業者のなかには、買い取りまで対応してくれるところもあります。
処分を考えているその遺品群は、貴重品に限らず自身では気付けない価値が眠っているかもしれません。
遺品整理を行う業者に買い取りまで併せて頼めれば、リサイクルショップや鑑定士のいる場所へわざわざ持っていくといった手間もかからないため効率的です。諸々相談してみることをおすすめします。

収入に変わることもさることながら、資源の有効活用になる点も無視できません。遺品に対する心残りを少なからず和らげる、あるいは消してくれる側面は、実に大きなメリットだと考えます。

遺品整理は正しい知識、やり方と状況判断が大事!

遺品整理がうまくいった結果
つい見切り発車でスタートさせてしまいがちな遺品整理ですが、まずは正しい知識や手順を知ることが大事です。
スケジュールを立て、準備を整え、対象品と一つずつ向き合っていくことが肝要だといえます。
注意すべきは、基本マナーやセオリー、方法、コツを理解したからといって、万事うまくいくわけではないということです。
遺品整理を自己判断で推し進めることは、少なからず負担は生じ、リスクも伴います。
状況を踏まえつつ、周囲へ相談することを忘れないでください。あるいは専門業者への依頼も選択肢の一つです。プロに任せることで悩みや不安が解消され、円滑に事が運ぶでしょう。

いずれにせよ遺品整理は、自身のお気持ちや注意点なども考慮し、(依頼の判断も含め)丁寧に行うことが大切です。